2018-06-04

【 沖縄染織物・初の企画展 】


去った5月の末、ゆいまーる沖縄 本店<Storage & Lab.>にて初めて
沖縄の染織物の販売と体験を中心にした企画を開催しました。

着付けのワークショップのメイン画像を飾ってくれたのは店長嘉陽の友人。
琉球舞踊を日々鍛錬していて、着物の着こなしも凛として素敵です。
急ピッチで習った他装(ひとに着物を着せること)を復習しながら
着付けをさせていただきました。


初めての企画でしたので、着物に詳しい心強いみなさんの
お力添えをいただきながら企画展を進めました。

左から
ウェディングでの着付けなどを長年続けている福さん
南風原で装道のご指導をなさっている新垣先生
フリーランスの美容師でいらっしゃる田代さん
店長嘉陽です。

今回、琉球かすりを中心に、南風原花織や琉球紅型などを販売。
南風原で現在織られている作品たち(反物)はもちろんのこと
ビンテージ(古着)の着物も販売しました。
 

ビンテージ着物の模様クローズアップ。
緯絣(よこかすり)によってツガイのトゥイグヮー(鳥)が描かれ
トゥイグヮーには色が入っています。


絣(かすり)は、織りあがった時の模様を作り出すために
糸の段階で柄を想定し、防染する箇所を一箇所一箇所括っています。

上の写真にある色つきの絣模様は、現在ではほとんど作られていません。
なぜなら、手括りで括った箇所にさらに色を施すという工程は、
それに掛かる時間や労力に対して販売の値段が跳ね上がってしまうからです。

売れるかどうか?という動向は、技術の継続性に関係しています。

企画展の間は、作品たちを多くの作り手さんにもご覧いただきましたが
「懐かしい〜」というお声がちらほら。

かつては作られていたけれど、効率化の波にのって
なくなっていく技術というのがあるのだなぁ、、と複雑な思いでした。

括った箇所に色の入っている絣模様は、カラフルでなんだか現代的で
かわいらしいと感じましたが、今ではほとんどありません。


▲こちらもビンテージ(古着)の絣着物。
試着を兼ねた着付けのワークショップで、とってもお似合いな方がいらっしゃり
その方の元へと旅立っていきました。

カー(井戸)の模様は経緯絣(たてよこかすり)
トゥイグヮー(鳥)やユカドゥー(四つ角)は緯絣(よこかすり)
で表現されています。


▲こちらも、ビンテージ(古着)の絣着物。
黄色のようなブラウンが混ざっているようなラインの箇所は
ムディーと呼ばれる、1本の糸を複数の色で縒りあわせて織り込む技法。

括って絣模様にしなくても布の表情に動きが出て
まるで絣のように模様を楽しめることから
一時期取り入れる作り手さんが多くいたそうです。

また、ゆらめく波のような模様は古くからよく描かれていたそうで
直線的な柄と組み合わせてバランスを取ることが好まれたようです。


現在も織られている古典的な柄もあります。
こちらは、販売のためにお預かりしていた反物。
仕立てもゆいまーる沖縄 本店にて受注しております。


光沢としなやかさのある、南風原花織も何種類か飾りました。
販売にはいたりませんでしたが、「きれいだねぇ」と感嘆の声。
気の遠くなるような手仕事によって丁寧に織り成された布は
そうそう手頃な値段にはなりません。

でも、だからこそ目に触れていただく機会を増やして
沖縄のすばらしいものづくりの感性や文化、
作り手さんたちの暮らしの息吹をも感じてもらえるように
企画を工夫していきたいと思っています。

▲今回のチラシ画像

染織物について調べたり、企画のためにいろいろな方に会うたびに
まだ着物を着ていない方はよく「着る機会がない」とおっしゃいます。

でも、絣の着物こそ、それこそいつでも着られる布です。
今日の外食はちょっと着物で
ちょっとスーパーまで買い物に
毎週土曜は着物ですごす
などなど、いま着物姿を楽しんでいらっしゃるみなさんは
気軽に自分の楽しみのルールを決めているようです。

▲琉服(ドゥジンとカカン)と嘉陽

私はまだまだ「着物を着る人」の世界に足を踏み入れたばかりですが
着物の暮らしを楽しんでいらっしゃるみなさんは
人生を楽しんでいる!
という感じで、かつ凛としている方が多くて
とっても刺激的な出会いがたくさんあります。

ゆいまーる沖縄 本店<Storage & Lab.>にて
その楽しみを少しずつでもたくさん、機会を作っていきたいと思っております。

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沖縄県島尻郡南風原町宮平652番地
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