去った8月12日(土)、南風原町宮平にあるゆいまーる沖縄 本店<Storage & Lab.>にて、トークイベントを実施しました。講師は那覇市にある「たきもの屋薫る風」の店主、西田さん。
ひょんなことで西田さんに出会った私は、香りの話の奥深さと沖縄の歴史の関連性に強く惹かれまして、まずは隠れ家のようなお店「たきもの屋 薫る風」さんへ。沖縄独特の線香である「ヒラウコー(平御香)」づくりを体験し、いろいろなお話を聞きました。
▲そのときに作ったヒラウコーと、余りで作った三角香
そして、いろいろなお話を伺ううちに、このお話は聞きたい人がもっといるはずだ!ということで、トークイベントを実施。トークだけでなく、実際の香りも味わいます。
初めての開催でしたが、想像以上にお問い合わせをいただきまして、20余名の方がご参加くださいました。満席にてご参加いただけなかったみなさま、ぜひまた次の機会に。
初めは琉球(沖縄)の歴史の中で香料はいったいいつ入ってきたのかというお話から、その産地のことや用途、使われる場面などについて。
御後絵(おごえ)という琉球国王が描かれた絵を見たことがあるでしょうか? 首里城にも飾られていますね。ネット上でも見ることができます。「この絵の中にも、ほらココに、お香があります。」といった具合に、実際に見ながら教えていただきました。
大交易時代と呼ばれた時代があるほど、島の外の国々と貿易が盛んだった琉球(沖縄)。香料も貴重な交易の品として用いられていました。
それは書物から読み解くことができます。
現在も流通している香料や、その呼び名の各国での違い、そしてこうした書物や、残っている歌の歌詞などから、歴史のなぞを紐解いていきます。
王府の中での役職として「香作」「仙香作」という文言が。
講師の西田さんは普段からこうした香りにまつわる資料や、そのつながりで出会った人々と情報交換・意見交換なさっていて、トークの内容も興味深い事柄ばかりでした。
ちなみにこちらの本も西田さんの所有物。古書を持っている方って、ちょっと憧れます。
そして、丁子風炉(ちょうじぶろ)や寿帯香(じゅたいこう)など、普段あまり聞き慣れないものについても詳しくご説明いただきました。
そうしてトークの終盤、実際に香りも体感してみましょうということで、お香を焚いていただきました。
炭を燃やして、その上に香粉をおとします。
煙をくゆらせながら、店内にお寺のような香りが広がります。
香りを求めて来る方は、いろいろな目的があるそうです。
邪気を払う香りは? 癒される香りは? 眠りにつきやすい香りは?
それぞれの質問にしっかり答えてくれた西田さんですが、やはり大事なのは「本人がその香りを好きかどうか」ということ。
また、例えば同じ「ローズ」の香りと言ってもいろんな種類があるので、使っている香料によって際立っている特徴が異なります。
自分に合った香りを見つけて効能を感じることも大切だそうです。
さて、今回のトークイベント、盛況のうちに終了しました。
うえの写真は左から、ヒラウコー・カラキハ(カラギ・ニッケイ)・ヤマクニブー(モロコシソウ・山九年母)。
一番最後には、一番香りの強いヤマクニブーを袋から解放。
さきほどまでの香りたちは、参加者さんの手から手へ渡して香りを味わっていましたが、ヤマクニブーは袋から出しただけで全員が香りを感じることができました。
イベントは終了しましたが、ゆいまーる沖縄 本店の実店舗では和紙香袋を扱っています。
ヤマクニブーも調合された、懐かしい香りのする袋です。
ぜひ店頭にてご覧ください^^
--------------------------------------------------------------------
沖縄県島尻郡南風原町宮平652番地
------------------------------------------------ 店長 嘉陽 -----------