2020-03-09

【 お店ができた時のこと 7 月桃のスツール 】






こんばんは。
ゆいまーる沖縄 本店<Storage & Lab.>店長です。

お店ができたときのことを振り返り
共有するブログ。
7通めは、全てが島の素材と
人々の力でできた
月桃のスツールのことを。

ずーっと店頭で使っているスツール(椅子)は
沖縄の素材と、職人さんと、デザイナーさんの
お力をいただいて作ってもらったものです。

ワークショップやトークイベント
時に打ち合わせや、お客様に座って休んでいただく時など
ひそかに活躍している、月桃のスツール。




2020年1月の頭に、今までで初めて開催した
いろいろなワークショップを同じ日に実施する
スツールがフル稼働。
足りなくて、奥の事務所のミーティング室から
別の椅子も持ってきていました。


毎日誰かに座ってもらっている、月桃のスツール。


座面は、宮古島の月桃の縄で
チガヤ工房さんが作ってくれた縄できています。



素敵ですねーと
声をかけて下さる方が時々いて、
月桃でできているんですよと言うと
「えー!どの部分を使っているんですか?」
と聞かれます。

確かに、月桃の「縄ない」をしたことのない方には
想像がつきにくいかもしれません。

縄に使うのは茎の部分。
下の写真は葉っぱをとって乾燥させているところ。
(ゆいまーる沖縄の天井です。)



一本の茎に見えますが
幾重にもかさなってこうなっています。

↑ 写真の茎の途中で茶色くなっているところが
一枚と一枚の境目。

きれいにはがしてのばすと、
艶のある平たい繊維の素材になります。



これをそのまま紙テープのようにして敷き物を作る民具は、
台湾などで見かけますね。

西表島では、この平たい状態で格子を編んでいき
カーペットのように大きな敷き物を作っている方もいました。

沖縄では縄をなうか
まるで編み物のように組み合わせながら
鍋敷などを作っているものを多く見かけます。




こちらの写真は、石垣島・竹富島で作られたもの。
中身はどれも月桃(方言でサンニン、サンミー)。
入っているザルはトウヅルモドキ(クージ)。


お話をスツールに戻しまして


スツールのデザインをしてくださったのは
Luftの真喜志奈美さんです。




制作してくださったのが、
ゆりあ木工の西銘さん。




全員が、これらの素材でこのスツールを作ることは
初めての制作だったので
初回のものでは月桃縄が座るのを繰り返すうちに
弛んできてしまうことがわかり、
2回目を作るときは
縄の太さを変えたり
作り込む時の力加減を変えたり
試行錯誤して、今の安定した形になっています。




思い入れの深い、
月桃のスツール。
月桃は、乾燥したあとも
濡れると香りが立つのが特徴で
4年ほど経った今でも
ほんのり香りを感じることができます。

さて、本日はここまで。。
さらっと書きたい!と思うのに
書き始めると長くなってしまいます。

最後までお読みくださった方々、
お付き合いくださいまして、
本当に、ありがとうございます。



(嘉陽)
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