近頃、ゆいまーる沖縄 本店のことを知って、めがけて来てくださるお客様に
せっかく南風原にいらっしゃるならば南風原の魅力もご紹介したい
と思うことが多々あります。
なぜなら、南風原の観光資源はまだあまり認知されておらず
少しマニアックな方の目に止まっている気がするためです。
たとえば今回ご紹介する石獅子もそうです。
知らずに集落を歩いたら気がつかない、見つけられないくらい
ひっそりと佇んでいますが
実際に見てみるとだいぶ経年変化をしていて
趣のある獅子たちです。
トップ画像の石獅子は
南風原町字本部(はえばるちょうあざもとぶ)の石獅子。
横からみると顔も頭もタッペー(平ら)。
フェンスに囲まれているので写真を撮るのがむずかしいです。
後ろ姿はよくみると、タテガミのようなものがついています。
字本部は琉球絣などの織物を織る人が多く住んでいるエリア。
坂の上のほうにある石獅子は、その丘陵から下の方=本部エリアを
見おろしているような感じです。
元は、現在の八重瀬町にあたる東風平(こちんだ)の
フィーザン(火山)に対してフーチゲーシの意図があったそうです。
字本部のタッペー石獅子を見て坂をくだっていくと
徒歩5分くらいで、お隣の字照屋の石獅子[A]に会えます。
石獅子Aと呼ばれているのは、照屋には2匹の石獅子がいるためです。
ちなみにAのほうが会いに行きやすい、住宅街の道路沿いにあります。
字本部のタッペー石獅子が結果的にはこの照屋へ向く形になったため
それに対抗するべく作られたと言われているのがこの照屋の石獅子。
正面からみると顔が大きくて威圧感がありますが
横から見ると胴体から後ろは比較的小さいです。
とにかく向いている方角に強さを表出するのが大切なのでしょうか。
後ろから見るとこんな感じです。
普段地元の方が往来する道端にひっそりと立っています。
そこから再び丘陵をのぼっていったところ、徒歩3分くらいで
照屋の石獅子[B]に会うことができます。
とても狭い坂道をのぼるので、徒歩で行きます。
見晴らしのいい高台にあります。
少しひらけた場所になっていて、石獅子の隣には
ウガンジュ(拝所・御願所)があります。
ウガンジュとは、地域の人が健康祈願や報告のために祈る場所です。
後ろからみた照屋の石獅子Bは獅子かどうかわかりづらいですね。
横から見るとこんな感じです。
斜め後ろから。
さて、今回は私嘉陽が休みの日に散歩がてら見に行った石獅子をご紹介しました。
字兼城にもいるそうですが、そちらはまた次回。
石獅子とは、かつて各集落の角や道端に置かれた厄除けです。
フーチゲーシ(風気返し・邪気返し)などと言われて
集落の安全を守っていました。
戦禍で消滅してしまったものもたくさんあったようですが
ご紹介した石獅子たちは現存している貴重な有形民俗文化財です。
今なお集落の安全を守っている石獅子、
ぜひ散歩しながらご覧になってみてください。
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沖縄県島尻郡南風原町宮平652番地
------------------------------------------------ 店長 嘉陽 -----------
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